2002/11/7
2002 Everstart チャンピオンシップ
プレビュー


 11月6〜9日にかけて開催されるエバースタート・チャンピオンシップは、アラバマ州レイク・マーチンで火蓋を切った。同湖の気温と水温から逆算すると、パターンを絞りきることは安易なことではない。なぜなら、同湖はレイト・サマー・パターンからフォール・パターンへの移行の時期で、バスのサイズが落ちているらしい。ゆえに、参戦選手は今年開催されたエバースタートの大会の中でもっともタフな一戦になるだろう、と予測している。
 大会は4日間に渡って開催されるが、寒気が突然近づく可能性もあり、数時間ごとにバスのレンジが変わることもある。
 レイク・マーチンのメインパターンは2つ:スモールマウス or スポッツ+ラージマウスである。
 
 レイク・マーチンの歴史は古い。アラバマ州北東部に位置するトーラポーサ・リバーを堰き止めて完成させたマーチンダムからなるリザーバーだ。完成したのは1926年で、当時はアメリカでもっとも規模の大きいダムだった。縦に31マイルの長さを誇り、スポッツの密度が高いことでも有名である。
 この事実から、スポッツがリミットメイクのメインターゲットとなる確率は高く、サイズはラージマウスに劣るものの、早い時間帯にリミットを揃えるパターンが成立しそうだ。しかし、ウエイトを上げるためにはラージを混入させることは必要不可欠。いかにラージをリミットに混ぜられるかも勝負の行方を左右するだろう。
 同湖のスポッツ+ラージマウス・パターンは、水温15〜16℃を境に釣果に差が生じるという。FLWサイトに掲載されているウェスリー・ストレイダーのコメントによると、「水温が16℃以上であればラージの活性は高く、15℃以下であればスポッツのパターンが有利になるだろう」と述べている。
 となれば、テクニック的な部分でも大きくわかれることになる。ラージのパターンであればスピナーベイトやファストムービング系が多用されるだろうが、スポッツであればドロップショットやフィネス系の展開もありそうだ。ただし、西海岸ではなく、アラバマ州で開催される大会で、どれだけの選手がライトリグを駆使するのだろうか。
 
 さて、このエバースタート・チャンピオンシップは、150名のクオリファイアーで釣技される。3地区でそれぞれのトレイルが開催され、各地区の年間総合ランキングのトップ50がクオリファイされるシステムである。
 エバースタートは、B.A.S.S.でいうオープン戦レベルの大会に相当する。しかし、オープン戦(もしくは旧インビテーショナル)と異なる部分は、オープン戦にはトップ勢を集結させて開催するチャンピオンシップがないことだ。
 以前、インターネット上でエバースタート・シリーズに参戦する選手のインタビューを読んだことがあるが、彼らのモチベーションはB.A.S.S.のオープン戦を優先させて参戦している選手のそれよりも高く感じだことだった。確かに、B.A.S.S.は旧オペレーション・バス時代から比較しても、アングラー間には“B.A.S.S.が上でオペレーション・バスが下”と勝手な格付けがあった。
 しかし、オペレーション・バスがFLW Outdoorsとなり、FLW Tourが出現し、エバースタート・シリーズも開幕した。旧レッドマンは現在BFLと名称を変更しているが、その伝統は受け継いでいる。
 「いいパートは受け継ぎ、必要なパートは開拓していく」。このフロンティア・スピリットがFLWの新興的なレギュレーションを作り、ビッグスポンサーの獲得にも成功した秘訣だろう。第一に、FLW OutdoorsはB.A.S.S.に比べれば伝統が少ない分、失うものも少ない。実験的なファクターを盛り込める判断力は、FLWのフットワークの軽さを象徴しているように感じる。
 もちろん、賞金額の高さも魅力的な部分の1つであることは間違いない。
 B.A.S.S.を中心に海外のバスフィッシング・トーナメントに注目してきた人には無名の選手が多いかもしれないが、今後彼らはFLW Tourに参戦したり、またはB.A.S.S.に参戦してくる可能性もあるので、同チャンピオンシップは注目の一戦である。
 
 同大会のデイリー・レポートは結果が発表され次第、このページでお伝えする予定だ。