山中湖完全攻略道・ 其の壱・第弐項
「ウイードの新芽とブレイク」

 
  午前10時くらいになるまでディープのバスが動き出すのを待ったものの、昨夜より急激に冷え込んだ影響からか、バスの動きは今ひとつよくない。そのため、野本さんはシャローパターンへと移行することを決意した。
 「スポーニングに絡んだパターンを考慮するなら、比較的小さなワンドを攻略したいですね」と語る。「このパターンは、スポーニングが完全に終わるまで使えます。陸ッパリの人でもわかりやすいのは、岬や張り出しの真横にあるワンドです。バスは、岬を伝ってディープからスポーンに入りますから、アフターのバスもこの岬を通ってブレイクに戻ります」。これに加味するなら、そのウイードには健康的な方がいい。山中湖の場合、湧き水が1つのカギとなる。野本さんがいうには、同湖の湧き水の温度は9度。夏は湖水より冷たく、冬は暖かい。そのため、ウイードの成長率もいいことが挙げられる。もちろん、有酸素量も豊富だ。
 このようなエリアで使用したいのは、「スローなワームより、手返しのいいサスペンド系プラグ」と野本さんは推薦する。
 今回、彼がが使用したのは、ジップベイツより発売されたカムシンJr.DR(取材時は発売前のため、プロトを使用した。写真左)。



ベリー部分をクリアーに、バック部分をワカサギカラーにペイントしたカムシンJr.DRのプロトカラー。「シャッドタイプのカムシンだけど、こうやってペイントすると、結局は背中がワカサギで、お腹が透明だからミノーみたいですよね」と野本さんは語る


山中湖完全攻略道・ 其の壱・第参項
「ポンプリトリーブが、バスを手にする近道」

 シャローに移動した野本さんは、迷わず水中島で使用したのとは別のロッドを手にした。ラインには、ジップベイツのカムシンJr.DRのプロトモデルが結んであった。
 右の写真をキャプションにもあるように、このルアーの基本アクションは、ティップを下に構えてスイープする、いわゆるポンプリトリーブだ。しかし、このメソッドはそんなに難しいものではないと野本は言う。
 「山中湖や河口湖でよく釣りをする人には、まったく違和感なく使用してもらえると思います。軽量ジグヘッドやスプリットショットを引いてくる感覚と100%同じです。今、このルアーにバスが反応しているということは、連休になるころには、もっと反応を示すでしょうね」。
 筆者が見たかぎり、“スイープしてルアーを動かす。ウイードトップにリップがノックしたら、止める。数秒ポーズさせる。スイープする……”の繰り返しただった。サスペンドプラグをキャストしていることを聞いていなかったら、スプリットショットリグを使用していると思えるほど、そのアクションは“ワーム的”だった。「これも、スイミング・バランスを考えたアンチ・ニュートンだからできることです」と野本さんは加えた。

 さて、トーナメントのプリ・プラクティスとして同船していたため、野本はラン&ガンでエリアを周りながら、数尾のバスを釣り上げた。釣り上げたルアーは、すべてカムシンJr.DRのプロトだった。釣れてくるのは、ほとんどが黄色い腹の放流バス。サイズはどれも同じで、30cmくらいだった。

 「この調子だと、きっとゴールデンウイークは爆釣の時期に当たりますよ。例年であれば、5月中旬が一番いい時期なんですが、今年は、連休から5月中旬くらいが一番ベストになると思います」と野本さんは予測するが……。あとは、アングラーの腕と運次第!?

カムシンJr.DRは、“アンチ・ニュートン”を採用しているため、スイミングバランスがいい。ゆえに、アクションを加えたときのレスポンスもすこぶるいい。野本は、この時期のバスに対し、「特にトゥイッチとかジャーキングをするわけでもなく、ロッドを右から左へとスイープするだけ。ガイドのお客さんに説明するんですが、『スプリットショットをスイープするように』が、このルアーアクションの基本です」と解説する

 
 

取材時の最大バス35cm、750g(写真上2つ)。ウイードエッジを舐めるようにカーブリトリーブするために、 ラインアイを微妙に調節し、意図的にスイミングバランスを崩す(写真下右)。風がきつく、南方からの風が吹くときは、富士山の上に帽子を被ったような雲が出る。これが発生したときは、特に小さなレンタルボートの人は、岸に戻った方がいい。


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