村中さんがこの川に入り誰も先行者がいないだろうと思っていると、梶無川でもっとも攻略したいスポットのひとつ、中流部南側のアシ原を星洋行さんが陣取っていた。南側がアウトサイド・ベンドになるため水深がある。北岸はかなり浅く、一見するとオイシそうなアシ原だが、南岸のほうが断然バスのストック量が多い。この南岸を攻略した星さんは今大会、見事5位に入賞している。
「備前川、恋瀬川、花室川、桜川、梶無川とチェックして、中流域の水質がよかったのは恋瀬川、花室川、梶無川だった」と語る星洋行さんは、「備前川は問題外に水質が悪くて、桜川はハイプレッシャーだった。花室川はボートで行ける範囲が少ないしね。そうすると、東浦の恋瀬川と梶無川を絡ませて考えたほうがいいと思った。最終的には梶無川のほうがプラでよく釣れたから行ったんだけど、プレッシャーの低さならこっちの方が上かと。JBはルール上、川は1つめの橋までしか行けない。梶無川は河口から1つめの橋までが近いし、彼らがプラで来たとしても(JBマスターズは翌週に霞ヶ浦で大会を開催した)川にかかるプレッシャーは少ないと考えた。あと、ここは日が昇ると南側にシェードができるんだけど、北側はシェードがなくなる。そうなると、バスは南側に集まる。ねらったのは、深いスポットとクイが絡んだアシ。減水して食い気がなくなったのか、プラのときのように落とせばバイトすることがなくなった。だから、シェイクを加えてバイトさせた」と細かなパターンの組み合わせで梶無川を釣っていたことを明らかにした。
梶無川の魅力を麻生洋樹さんにもうかがってみた。「川幅が狭いから川全体にシェードができやすいし、そんなショアを攻略しやすい。それに本戦は、雨の影響で西浦に流れ込む川は濁っていた。特に桜川は筑波山から直接流れ込んでるから、ニゴリもあっただろうし、水質もいいほうではなかった。逆に梶無川の水質はよかった。ブレイクとアシが絡んだスポットをねらえば、それなりに答えがでる。パターン通りって感じでしょ。そう考えると、細い川ながらも梶無川のポテンシャルは決して低くない」と語っている。
今のことろ、昨年から新エリアとして加わった北利根川をメインエリアにして優勝したケースはないが、エリア開拓が進めば、移動のタイムロスを考慮したとしても上位入賞のパターンをこの川から探し当てるアングラーが出てくるはずだ。今後、霞ヶ浦の流入河川をメインとしたパターンは一層深く追求されるだろう。
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