W.B.S.SUPER 3 DAYS
毎日変わる大荒れの天候。自然に翻弄されたアングラー達

     


 6月20〜22日の3日間、霞ヶ浦の土浦新港にて「W.B.S. JAPAN OPEN SUPER 3DAYS TOURNAMENT」が開催された。今回はW.B.S.のプロはもちろん、JBやJBCCからも多くの選手が参戦。加えてアメリカからもアル・レイマンがやってくるなど、出場者は豪華な顔ぶれ。 全部で3日間戦われた今回は連日9時間以上湖上に出ていなければならないというハードなもの。加えて毎日どころかひどい時には数時間おきに天候が変わる大荒れの天候で、多くの選手がその変化に付いてゆくことができず、かなり厳しいコンディションでの試合展開を強いられたようだった。そんな悪条件下で勝利したチームはどこか?その模様をおつたえしよう。
 
 前日の21日までは天気もよく、水温も25℃くらいあったそうだが、トーナメント初日から雨こそ降らなかったものの、曇りで気温もあまり高くなく、強風という悪条件の中スタート。水温も21℃くらいまでしか上がらずに活性が下がったためか、魚が食わなくなったり、プラクティス時にいた所から動いてしまったようで、ほとんどの選手がプラクティスで組んだパターンが適用できず、苦しい展開を強いられたようだ。  
 

 
     

2日目までは2位と、好調な出だしが注目された宮本・泉チームだったが、最終的な順位は4位にとどまった。

 

 3位の西村・深江チーム。安定したスコアの積み
 
重ねで3日目に逆転入賞をはたした。
 


 前日の21日までは天気もよく、水温も25℃くらいあったそうだが、トーナメント初日から雨こそ降らなかったものの、曇りで気温もあまり高くなく、強風という悪条件の中スタート。水温も21℃くらいまでしか上がらずに活性が下がったためか、魚が食わなくなったり、プラクティス時にいた所から動いてしまったようで、ほとんどの選手がプラクティスで組んだパターンが適用できず、苦しい展開を強いられたようだ。
 そんな中、7,260gと2位を1キロ以上も引き離して初日トップにつけたのは赤羽修弥・下青木義隆選手のチーム「PRIDE」であった。湖全域をボートのガソリンを使い切らんばかりに走り回り、持てるルアー、リグを総動員し、自分の中の引き出しをすべて使った結果の成績であった。

 2位につけたのは宮本英彦・泉和摩選手コンビの「TEAM DAIWA 55 HMKL」の6,020g。東浦周辺をメインにシャロークランク、ヘビーキャロライナリグを用いた戦略での好成績。一昨年の優勝チームだけあって好調な出だしだ。
 3位は粟島英之・沖田護・大関雄司選手の「ホットリップス最強チーム」。沖田さんの奥さんが23日出産予定日。そのせいもあってか優勝に対する意気込みは他の誰よりも強かったかもしれない。杭、捨て網、葦を重点に攻めたというこの日の成績は5,860g。


 
 


 2日目も曇り。気温は相変わらず低いものの、風が少し弱まったので、比較的穏やかな天候といえた。この日前日3位の「ホットリップス最強チーム」はプラクティスでつかんだという浚渫での釣りを展開、6,560gという堂々のウエイトで前日3位から一気に1位につけた。2位は前日1位の赤羽・下青木組「PRIDE」の6,400g。3位は前日2位の宮本・泉組「TEAM DAIWA 55HMKL」の6,120gで、2日目も着実にウエイトをそろえてきた上位3チームによるトップ争いに終わったようだ。

そして3日目。この日は朝からの激しい雨、冷たい強風、さらには雷まで落ちるという、3日間の競技期間中もっとも荒れた天候の中でのスタートとなった。プラクティスの時と大幅に異なる天候の中で組んだパターンが通用しないほどに変わった天候の中、厳しい戦いを展開せざるを得なかったため、ほとんどの選手が疲労しきっていたと思われる。
 時が経つにつれて雨や雷はやみ、弱いながらも日射しが出てきた。しかし、相変わらず風は強く冷たい中、今日まで着実な成績を積み重ねてきた「ホットリップス最強チーム」は、朝一番に玉造に入り、捨て網、ドック、シャローの杭を打つが、バラシとキャットばかり。9時頃までボウズという状態で、「3日目は無理か…」とあきらめかけていたところに通りかかった他の選手に激励されて一念発起、その頑張りが天に届いたのか、立て続けにグッドサイズを釣り上げ、最終日は5尾、5,450gで揃えることに成功。2位の赤羽・下青木組「PRIDE」チームを870g引き離して1位で終了。優勝が決定した。

   
 

    堂々1位の粟島・沖田チーム

今大会のスペシャルゲスト、アメリカからやってきたアル・レイマンと谷中チーム。7,360gで10位だった。


 かなり厳しい条件のもとで戦われた3日間だったが、連日安定したウエイトを持ち込んだ粟島・沖田・大関組「ホットリップス最強チーム」の優勝で終了となった今回の「W.B.S. JAPAN OPEN SUPER 3DAYS TOURNAMENT」であった。表彰式の最中には今日が出産予定日であった沖田選手の奥さんが産婦人科に入院したとの連絡が入り、表彰式の会場を沸かせた。沖田選手にとっては二重にうれしい表彰式だったろう。
 

 オフィシャルから提出された詳しい順位はW.B.S.の速報ページを参照していただくとして、今回の「W.B.S. JAPAN OPEN SUPER 3DAYS TOURNAMENT」でのフィールドコンディションの解説を、わがBASSWAVEのフィールド情報で霞ヶ浦を担当していただいている林俊雄さんに聞いてみた。
 「プラクティスまでは水温も高く、ほとんどの選手が勝つためのパターンを組めたのではないかと思う。でも競技当日になってみると大荒れの天候。こういう時のバックアップのために用意しておいたパターンすら通用しないほどめまぐるしく変わる天候に苦しめられた3日間だったと思う。試合当日はプラクティスの時ほど水温が上がらなかったため、大きな魚が動いてしまったらしく、ウエイトがそろえられなかった選手が私を含めてほとんどだったのではないか」と話してくれた。

 

 

 
表彰式の最後には、今回のスペシャルゲストのアル・レイマンが「1991年に初来日以来、今までに5回霞ヶ浦に来た。最初の頃にはイージーに釣れたけれど、最近はそうでもないね。これからもここでバス釣りを楽しむためには国や地方自治体に働きかけ、財政的援助を受けるなどして霞ヶ浦の環境整備にも力をいれるのも重要なのではないかと思う」と、これからもバスフィッシングを楽しんで行くための提案を話してくれるなど、天候には恵まれず、厳しい戦いが展開されたが、ほとんどのアングラーが「楽しかった」との感想をもらしていたのが印象的なトーナメントだった。

 

 マリーナに帰着後、トレーラーに乗せて、そのままウエイイン会場へと入るのがW.B.S.のトーナメントだ。

 
 さらに、良い事というのは重なるらしく、今回アメリカから参戦していたアル・レイマンからも優勝した「ホットリップス最強チーム」に思わぬプレゼントが贈られた。それは革の財布。アルの説明によると、彼の友人が作ったもので、自分が優勝して持ち帰るつもりだったけれども、今回の優勝チームへプレゼントするという。「1st PLACE LAKE KASUMI 2002.6.20-22」と刻印の入った財布を送られた3名は、思わず手にした賞金以上といってもいい価値のあるプレゼントに感激していた。

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