W.B.S.Pro-Team Tournament 第5戦
久々の「釣れる霞」。ラストにまさかの大逆転!!

     
 7月28日、霞ヶ浦にて「W.B.S.Pro-Team Tournament 2002 5th」が開催された。今回はW.B.S.アングラーオブザイヤーの座とクラシックへのクオリファイがかかった試合だけあって、出場選手たちの試合へかける意気込みは相当なものが感じられた。今回はプラクティスの段階から多くの魚が釣れていたようで、「ここ最近の霞ヶ浦らしくない」という声が聞かれるほどのコンディション。そのためかリミットを揃えたチームも多かった今大会、ラストでまさかの大逆転劇が展開された。そのもようをお届けしよう。
 
   
検量直後の狩野/金光チーム。勝利を確信したこの笑顔が…
5位の宮本/橋本チーム。コメントは力の入ったものだったが、釣りを楽しんでいる様子がうかがえた。

 早朝の土浦新港に集まったアングラーは38組76名。駐艇スペースにこ
れだけの数のバスボートが並ぶ光景は壮観だ。クラシックの出場がかかった今大会だが、ボートで準備をするアングラーたちにはさほど気負いは感じられず、となりあったチームと談笑しながら準備を進めている。会場全体を包む和気あいあいとした雰囲気はW.B.S.ならではといったところか。
 5時25分、オフィシャルの合図に従ってボートが一艇、また一艇と、それぞれのチームが目指すエリアをめざしてスタートしていく。
 前日までは好天と猛暑が続いていたが、当日は曇り。朝から強い風が吹いており、少し肌寒く感じられるほどで、
厳しい暑さはひと休みといった感じだ。プラクティスの段階では多くのアングラーから「よく釣れた」という声が聞かれたが、今日は少し涼しくなったことでさらに活性が上がるか、水温低下によって魚が動かなくなってしまうかのどちらかだろう、という展開の予想が難しい幕開けとなった。
 その後、一時的に日が射したりしたものの、曇りで風のある天候にさしたる変化はなく、帰着時間を迎えた。早々にウエイインしたのは狩野敦/金光忠実チーム。「夏は得意」という狩野さん。リミットの7尾をきっちりそ
ろえ、勝利を確信したかのような堂々とした足取りでウエイイン。検量時のウエイトは5,800g。だが、ここで残念
ながら1尾のデッドフィッシュがあり、-200gのペナルティーが科せられてしまったため、記録は5,600g。この時
点ではまだ全員の検量が終わっていなかったが、暫定1位につけた。


 
 

 だが、ここでまさかの逆転劇が起こる。ほとんどのアングラーがウエイインをすませ、狩野/金光チームの優勝を誰もが確信しはじめ、残るは2チームとなった時、鳥澤徹/川端邦義チームがウエイイン。こちらもキーパーを
7尾そろえての帰着だ。気になるウエ
イトは5,720g。この時点で狩野/金光チームが5,800gを持ち込んでいるとい
う情報を聞いていた鳥澤/川端チームは、自分たちが2位入賞だと思ってい
たという。しかし、デッドフィッシュのペナルティによって狩野/金光チームの記録は5,600g。かたや鳥澤/川端チームはすべてライブフィッシュの5,720g。ほんのわずかだが鳥澤/川
端チームが上回ったのだ。この見事な逆転劇によって優勝は鳥澤/川端チームに決定。ペナルティーはあったものの、自分たちの優勝を確信していた狩野/金光チームにとっては痛恨の幕切れとなった。
 以下、入賞チームを順に紹介していこう。
 ビッグフィッシュ賞は中島光博/小東和裕チーム。当日の風の強さを前にして、ダウンショットで風の変わり目にあるバイトをさそう作戦で釣り上げた魚は1,640gという堂々としたウエ
イトであった。
 6位は林俊雄/岩城真路チーム。チ
ームメイトの岩城さんとあわせて17尾ほど釣り上げたが、11時頃までリミットが揃わなかったという。今日の感想を聞かれた林選手は「ノンキーパーが多かったけど、(魚が)たくさん釣れるトーナメントは楽しいね」との感想。今回は上位入賞よりもクラシックへのクオリファイを第一目標として自分たちの持てるテクニックを総動員した戦略で計画通りの入賞をはたした。結果は5,130g。

   
 
状況に対する柔軟な対応で3位に入賞した早乙女/小野チーム。

検量終了後、まさかの優勝だった鳥澤/川端チーム。

 5位の宮本英彦/橋本悟チームは5,170g。シャロークランクをメインにして8時30分にはリミットメイクを達成していたという。宮本選手は「今日は釣れたね。惜しいところまでいくけど振るわない最近の成績を考えると、今回も難しいと思ってた。そこから脱出するためにプラを徹底的にやりこんだ。チームメイトの橋本さんにも今回の戦略を伝えて試合に臨んだ。小さいのが多かったけど今日はコンスタントに釣れたね。リミットも早くにそろえて、あとは入れ替えるだけだったけど、釣れた魚のサイズがあまり変わらなかったため難しい展開だった」との感想。チームメイトの橋本さんは「旧知の宮本さんと遊びで釣りをやっているような感じで、あまりトーナメントを意識することなく楽しんで釣りをすることができた」との感想をもらした。宮本さんいわく「二人あわせて99才(笑)」というこのチーム、プラの時の厳しい暑さと比べてすごしやすかった今日は、時折おそってくる睡魔との戦いだったとも語っており、お互いに励まし合って頑張ったという。
 4位の谷中洋一/早水彰チームは5,270g。早水選手の意見で選定した菱木川をライトリグで攻めた。「同じ所に何回も入り直して数をそろえ、リミットメイクは早いうちにできました」とのこと。これで谷中選手はクラシックへの出場権を得たが、表彰式でなんと「辞退する」という驚きの発言が飛び出した。聞けばクラシック当日は谷中選手の結婚式。何とかずらすように調整したが日取りなどの折り合いがどうしてもつかず、泣く泣く辞退することにしたという。谷中選手にとっては喜ぶべきか喜ばざるべきかという、何とも複雑な入賞であったことだろう。

 3位は早乙女剛/小野光一チーム。早乙女選手が捨てアミを攻略中に発生したバックラッシュを直していると、中層で偶然魚が釣れた。コレを今日のパターンにつながるヒントと受け止めた早乙女さんは、風のあたる側となる新港の対岸まで強風で荒れる中を移動し、ライトリグ中心のパターンを組んだという。司会者に感想を聞かれて「リミットはギリギリでメイクできたが、入れ替えができなかったのが悔しい」ともらした。記録は5,520g。
 デッドフィッシュによる痛恨の逆転劇で2位となってしまった狩野/金光チーム。記録は5,600g。心なしか足取り重く表彰式の壇上に上がった狩野さん、「何か面白い話をしようと思ったけど、今日は言葉がでない」と、脱力したかのようなコメント。プラでは調子がよく、数も釣れたので今回は勝てる予感があったというだけに今回のような結末はかなりこたえているようだった。
 そして1位の鳥澤/川端チーム。霞ヶ浦は5月の大会以来、2カ月ぶりという鳥澤さん。「帰着直前に自分のカンではかったウエイトの予想は5,300gくらい。戻った時に狩野/金光チームが5,800gと聞いていたのでウエイインの時は負けたと思いました。検量の時、僕らのウエイトを見ていた狩野選手がうなだれていたので「あれ?どうして?」と思っていたらこういう結果でした。でも優勝できてうれしいですね」と、逆転優勝の感想を語った。記録は5,720g。

 

 最後にまさかの逆転があり、最後まで結末がわからないというトーナメントの醍醐味を見せてくれた今回のW.B.S.第5戦。 詳しい成績と、同日、今回の結果を含めて決定された年間成績はW.B.S.のサイトをごらんいただくとして、注目の9月に開催されるクラシックへ出場できる選手達一覧をそえて今回のレポートを終えよう。

前年チャンピオン
本山博之

ボータートップ15
1粟島英之  6新谷一大  11柴  努
2大藪厳太郎 7市川好一  12谷中洋一
3早乙女剛  8赤羽修弥  13山田貴之
4荻野貴生  9川口信明  14林俊雄
5蛯原英夫  10武 恵一  15布川昭男

ノンボータートップ3
1中村雅晴  2稲葉隆憲  3後藤健治

スーパー3デイズ
西村嘉高

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