・第5回 JBワールド第5戦(桧原湖)


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プラクティス1 プラクティス2 
トーナメント初日 トーナメント2日め トーナメント最終日

プラクティス1(2003.9.10)

 久しぶりの大会となるJBワールド第5戦。ワールド第4戦めが最後の試合だったので、およそ3ヶ月ぶりとなる。
 さて、第5戦は同シリーズの今季最終戦でもある。第4戦では不本意な成績だったので、今回は「選手生命をかけた闘い」というか、背水の陣のつもりでビッグウエイトを叩き出したい。まぁ、私のみならず、参戦選手全員が気合いを入れて試合に臨むだろうが、今回はいつもの親しみあるラージマウスバスではなく、スモールマウスが相手だ。みんなそれなりにプラをやっているだろう。
 大会開催湖は福島県桧原湖。長野県野尻湖と比較すると桧原湖のスモールはサイズがやや小さいが、数釣りが楽しめるため遠方から訪れるスモールファンも多い。

 今日の気温は日中で27℃くらいだったと思うが、朝は肌寒く、残暑の雰囲気は遠のいている気がした。
 今日から2日後に開幕する試合に向けて直前プラクティスに入ったわけだが、以前プラで来たときと水温などフィールドのコンディションはほぼ同じと言っていい。ただし、今は減水状態にある。そこがネックでもある。そのため、魚探でレンジを確認することに集中した。レイク全体の変化を見る同時に、ボートポジションなど、自分のパターンを十二分に展開できるよう、心がけたつもりだ。

 本戦へ向けての作戦は、今日のプラで確定した。明日は、それに味を付けるというか、確実に獲るための何かを見つけだしたいと思っている。
 目標は、初日に3kgをウエイインすること。というか、それだけ釣れれば、上位争いに絡んでいけると思う。明日、私が追いかけたいバスがイメージしたスポットにいれば、本戦で爆発する可能性も高い。


         プラクティス2(2003.9.11)

 明日から本戦がはじまるとあって、今日のプラクティスでは昨日のテーマを中心に、それを細部まで突き詰めた。たとえば、シンカーのウエイトを何種類も使い分け、ワームも多数のカラーを試した。ラインの太さも0.5Lb刻みに、3,4種類使って、どのラインとどのウエイトがマッチするのかも、いつも以上に深く探っている。パターンは絞り込めたし、あとは本戦を迎えるだけだ。
 果たして自分のスポットにバスは明日もいるのだろうか。なぜなら、日中は気温が上がり蒸し暑いほどで、逆に夜から朝にかけては気温が急激に下がっている。この影響で少なからず水中に変化が起こっているし、スモールの動きも毎日微妙に変化している。どれくらい動くのかも把握しているつもりだが、これも本戦でやってみないと答えはでない。

 自分の中ではスモールの釣りを得意としている。桧原湖にはじめてきたのが7月で、その当時はよく釣れたから、「今回は楽勝」くらい思っていたが、プリプラを進めて行くと段々釣れなくなってきている。私は本当にスモールが得意なのかと、多少不安になった。今日も昨日も、直前プラではプリプラでやらなかったことを試している。今日その最終的なパターンが見えてよかった気がする。

 今までワールド戦に向けて、「こんなにプラに入ったことがない」というくらい練習を積み重ねてきた。それは最終戦だからというもあるが、これは自分への挑戦でもある。悔いを残したまま今シーズンを終わりたくないし、これで負けたら、私はヘタなのだろうか……。
 初日は2500〜3000gを獲る予定なので、期待してもらいたい。

           トーナメント初日(2003.9.12)

 決戦のときがきた。最終戦初日。今日は先に天候から触れておこう。
 「裏磐梯の天気予報は当たらない」と地元の人も言うくらいで、予想できない空の下、初日がスタートした。釣りのポイントとなったのは、昨夜降った雨と試合中のピーカン+風への対応だと思う。雨が降ることで、多少なりともニゴリは出るし、バスの活性にも変化が出る。スローなアプローチを主体に考えていたが、試合がはじまると、今度は一転して晴天。10時くらいから風が吹きはじめたが、それまでは汗が滴るほど蒸し暑く、タフなコンディションに拍車をかけた。

 この時期のスモールはサーモクラインのレンジが変わらない限り、バスが大きく移動すると思えない。そのため、自分の1級、2級エリアにボートを進めてチェックすると、バスはいる。だが、バイトしない。それが気持ちに焦りを持たせる展開となった。「いるけど食わないバス」は、なんとかアプローチを変えればバイトさせる自信があるので、明日も今日のような状況であれば、それをトライしたい。

 今日はギリギリ5尾を釣り上げられて、しかも最後の1尾を釣ったときには、時計の針は2時を回っていた。キーパーを獲るためのベースとなるエリアでの爆発力もなく、今日は間違いなく今まで桧原湖で釣りをしたなかで、最低の釣果になった。

 目標の3kgには届かない2394gは、順位的(暫定14位)にはイイ方かもしれないが、いるのがわかっているバスを食わせられなかった悔しさがある。目標分だけ獲れていれば、3〜4位だったが……。
 明日、一番気を付けたいのは、ミスを無くすこと。そして、また3kgを目指してやります。今日は今日。でも、今日の教訓は明日に生かせます。明日はバスを自分のパターンにハメてみせよう。

          トーナメント2日め(2003.9.13)

  大会2日めが終了した。今日はまた3kgねらいで湖に出たが、結局は2512gだった。ウエイトとしては満足していない。プラの感触からすれば、3kgは獲れた。いや、獲らないと勝てないと思っていた。だけど、大会のフタを開けてみると、連日2500gくらい持って帰れば、結果的にイイ位置にいれた。今日のウエイトでは5位だが、現在暫定3位だという(人づてに聞きました)。トップとの差は約900gで、明日一発勝負に出て、ひっくり返してやろうと思っている。

 今回、自分にできることはすべてやったと思っている。プラは充分にやったし、パターンも今のところ正解だったと思う。ミスはあるかもしれないが、間違った方向性でパターンを組んだ気はしないし、勝てるはず。だから、自分に対してのプレッシャーは何も感じていない。「明日もあのエリアに入って、自分の釣りをすればいいんだなぁ」と感じているだけで、ドキドキしたようすもない(明日の朝になれば、気が変わっているかも……!?)。檜原湖の釣りを充分に満喫して楽しみたい。

 「勝負に出る」ということは、手堅いゲームをやらないということ。300〜500gのバスを釣ったところで勝てないのはわかっているから、自分のギアを全開にしてビッグフィッシュ・パターンで攻めたい。
 ただ今日、スモールが釣れるタイミング、ラージが釣れるタイミング、ビッグフィッシュが釣れるタイミングを確認できた。これは大きな収穫だったと思う。つまり、このタイミングに上手く合わせられれば、明日は今日以上のビッグウエイトで優勝できるのでは、と考えている。

 

         トーナメント最終日(2003.9.14)

 最終日が終了した。昨日は暫定3位まで食い込めた。勝てるチャンスの大きい大会だったが、最終的に12位でフィニッシュしてしまった。ただひと言、悔しい。

 トーナメントとは、本当に精神的な部分が大きいと感じた。今日私は、ラージをねらってビッグウエイトを叩き出す予定だった。ラージをできるだけ多く5尾のリミットに入れられれば、全体のウエイトを上げられる。ベストなのは、ラージ5尾のウエイイン。だが、これがどれだけ困難なことはおわかりだろう。圧倒的にスモールの個体数が多い檜原湖で、ラージをねらって釣り上げる。夢のパターンでもあり、勝つために必要なパターンでもあった。
 ラージはスモールより重量がある。ラージには700gくらいを期待できるし、どれだけ小さくとも500gはある。スモールの場合、200〜500g。これでは勝てない。だから今回、小島宏プロや今江克隆プロがビッグウエイトで会場を沸かせたが、それはラージのパターンだった。私も彼らと同じパターンで、3名で同じエリアをシェアしながら奮闘した。案の定、小島プロは初日1位、今江プロは2位、私は5位に入っていた。

 最終日、ラージを獲るためにそのエリアの入るとバイトがなく、9時半の時点で移動した。そのエリアには12時ころにもどってくるのだが、あのとき移動していなければ、ビッグフィッシュが獲れていたかもしれない。「試合が終わってから、行っていたらなぁって言うなよ」と言われそうだが、私は昨日、「勝負に出る」と宣言した。勝負に出るのであれば、釣れなくてもずっとそのエリアでラージとギャンブルすべきだったと試合後に感じた。

 でもやっぱり、暫定3位で最終日を迎え、9時半の時点で移動してしまったということは、自分の中に完全に勝負に出るだけの気合いが入っていなかったのかもしれない。「バックアップやフォローのエリアがあるから、そこでリミットを獲って……」という気持ちが、心のどこかにあったのだろう。本気で勝負に出るためには、想像以上に固い決心が必要だったのだ。
 今日はビッグバスを釣るどころか、4尾のみのウエイインとなった。

 今回私は、ワサムラ社のバレット(ノーシンカー)や4inのワンナップ・シャッド、ゲーリー・ヤマモト社のベビー・クロー(ワッキーリグ)をメインに使用した。特にベビー・クローのワッキーリグは万能ルアーというか、ハイプレッシャーのフィールドで高い実績を持っている。本物のザリガニのように動くので、試してもらいたい。

 以前にも書いたが、プラクティスの量(もちろん質・内容もふまえて)は、大会順位に比例すると改めてわかった。今シーズン、私は手を抜いていたわけではないが、仕事の都合もあって、充分にプラを行なわないまま試合に出ていた。「プラを精一杯やったら、上位に入れるのか!?」と今更ながら疑問に思い、今回は自分が納得のいくプラができた。その結果12位に入った。これは今シーズンでもっともイイ成績でもある。年間順位は22位。昨シーズンは15位だったので順位を落としたが、この大会で得たことは、来シーズンの大会に生かしたい。
 
 来シーズンを考える前に、今期はまた2試合(マスターズ戦)が残っている。2戦ともに河口湖で、攻略法はわかっているつもりだ。今度こそは、上位入賞とは言わず、優勝をねらいたい。