下記インタビューは、川口直人さんが野尻湖へガイド遠征されたときのものです。リリース禁止が解除されたばかりの同湖で、川口さんが釣果とは別に感じたものとは、アングラーのマナーの悪さだったという。

---野尻湖の釣り客数はどのような感じですか?
川口直人:ものスゴく多いってほどじゃない。他県からの釣り人は多いです。でね、今日も頭にくることがあったんですけど、今日と言うより、こっちに来てから毎日なんですけど。野尻湖に釣りに来ている人はマナーが非常に悪い。

---「毎日、頭にくる」ということは、毎日マナーの悪い人を見かけるわけですか?。
川口:毎日です。まず、駐車違反は当たり前の世界ですよね。確かに駐車場が少ないから道路の脇に止めるのは仕方がないかもしれないけど、邪魔にならないようにするのが常識じゃないですか。でも、余裕で道をふさぐみたいに止めてる人もいるわけですよ。こんなのがいっぱいいたら、地元の人から釣り人全員が閉め出しをくらいますよ。
 あと、湖上では、レンタルボート、アルミボート、バスボートがありますけど、レンタルボートのマナーが特に悪い。僕らが釣りをしている目の前を平気で横切りますから。
 
---何か一言かけるわけでもなく。
川口:一言かけてから目の前を通るルールなんてないですよ。どれくらいの距離だったら声をかけるのかってことにもなりますけど、「このまま来たら、僕のボートの先端部分に当たる」って距離でも平然と通り抜けますから。しかも、キャストしている方向から入ってきたり、ラインが出ていても、前を通りますから。

---スモールマウスはディープの単体スポットで釣ることも多いですから、アングラーが密集するエリアもあるでしょうね。
川口:それなんですよ。そういう密集したエリアでの釣り方を理解してもらわないと、ケンカになりますよね。僕は頭にきてなくても、「そういう釣り方してたらダメだぞ」って普段から言う方ですけど、今回は結構、僕に叱られた人がいるんじゃないですか。

---暗黙の了解がわかっていない人もいますから。
川口:まぁ、そういう釣りに関しての暗黙の了解がわからないなら、これから考えて釣ってくださいってことで。でも、地元のルールっていうか、規則があるわけですよ。野尻湖ではボートは朝の6時から夕方4時までなんですよ。でも、4時半になっても余裕で釣りしてる人たちがいて……。レンタルの場合は、返却しなきゃいけないのに、それも無視してるんですよ。陸ッパリは夕方6時までOKなんですけど、夜中でもやってる連中がいて、悲しくなりますよ。
 「ルールが守れないのなら、釣りに来るな!」って言いたいですね。こう言うと、「お前だって地元じゃないだろ」って言われるかもしれないですけど、そういう問題じゃない。せっかく地元の人が頑張って、リリース禁止が解除になったわけですよね。でも、外来魚が問題じゃなくて、釣り人のマナーが悪いからって釣り禁止になったら、どうするんだよって。地元の人の努力が報われないじゃないかって。僕は野尻湖でもガイドしてるわけですよ。だから禁止になったら、仕事場が減るんですよね。
 
---リリ禁が解除されて、やっと議論できるスタート地点に立ったわけですからね。
川口:そこなんですよ。今までは地元の人が頑張ってやってくれてた。その甲斐あって、スタート地点に立てたんです。今からは、バス釣りやってる人全体が頑張ってやらないと、いつ閉め出されるかわからない。それをわかってない人が多過ぎます。FB'sの福原(毅)さんと親しくさせてもらってますけど、言ってましたよ、「釣り人の首を絞めてるのは、釣り人だって」。僕もそう思いますね。野尻湖に来ている人たちは、河口湖とか他の湖に比べて、意識が低すぎる。

---野尻湖は、スモールが釣れる貴重な環境ですからね。
川口:野尻湖のスモールって、デカいんですよね。こんないいサイズのスモールが釣れるのは、日本では他にないですよ。キレイなバスも多いし。それが、釣れなくなるのは悲しいし、マナーが悪い人を見るのはもっと辛い。