春の山中湖に2つのパターンあり
 
  4月15日、JBII山中湖大会を23日に控え、basswave「FIELD REPORT」でおなじみの野本淳さんが、プリ・プラクティスに出ることになり、basswaveスタッフは同船することとなった。そもそもこの取材を持ちかけたのは、野本さん本人からだった。
 「山中湖の水中は、もういつ春になってもいい感じです。普段からガイドをしるからわかるんですけど、今年は例年に比べて、すべての動きが2、3週間早い。JBIIの本戦で使う“面白い”パターンをお見せしますので、取材に来ませんか?」と彼は電話口で語った。その“面白いパターン”というものを見たくなり、basswaveスタッフは、15日の早朝、山中湖・静山荘ボートに向かった。
 「今日は、2つのパターンでいこうと思います」と、アイドリングするボートの上で 野本さんが切り出した。「1つは第2水中島で、もう1つはシャローのサスペンド系ルアーです」と加える。
 最初にエリアとして野本さんが向かったのは、第2水中島だった。GPSを持たない野本さんであるが、同湖のインビジブル・ストラクチャーの場所は、98%熟知しているという。これも、山中湖に移り住んで7年、ガイド業の傍らトーナメントに参戦する者の財産だ。あとの2%はというと、漁師たちが意図的に沈める魚礁である。新しく沈めた魚礁は、わからなくとも当然であるが……。
野本さんが得意とするのは、ディープレンジのパターンだという。なぜなら、「頑張ってボトムのハンプとかを見つけて地形を把握するば、それは自分の財産になるから」だそうだ。現在、野本さんは山中湖のボトムにつては、全域に渡って把握しているという。「魚探を見てパターンを組むという釣りは田辺(哲男)さんがやられていて、それが自分にもあっている気がして、修得しようと思いました」と語る

山中湖完全攻略道・ 其の一・第一項

「小さなハンプとショートバイトを読む」
 GPSなしに素早く山立てをすると、自分が攻めたいスポットを細かく魚探を使って捜し出す。「ボトム12mから7mに上がった島の天辺でワカサギが産卵しているんです。みんな『そんなディープでホントに産卵するの?』と言いますが、ホントにしてるんです。これにバスがついているんです」と語ると、即座にアンカーを投げ込んだ。
 スポットを割り出すと、今度は素早く実釣に移る。足下の魚探を頼りに、7mトップにある小さなハンプを捜し出す。この小さな地形の変化にワカサギが身を寄せているのだ。右の写真では見にくいかもしれないが、フラットボトムに、やや膨らんだスポットがる。これが野本さんが捜すスポットなのだ。
 パターンとしては、ワカサギと同系色のワームを1/16〜1/32ozのジグヘッドで“ボトムを跳ねるように”しゃくるだけ。
 ロッドは左上の写真のように、胸の高さに構え、グリッピングしている手の甲は下から斜め下向きで握る。
 「こうやって握るって構えると、ショートバイトを取りやすいんです。」と野本さんは言う。「しゃくるのは、ボトムから50cmくらいで、ピョンピョンと繰り返すだけ。ただし、ポイントは、ティップの柔らかいロッドを使うことです」。ティップの柔らかさは、ダウンショット用ロッドに近いものがバイトを感じやすいという。ウイードがあるわけでもないため、ティップが曲がったときはすべて魚のアタリだ。瞬間的にアワセられて、バスのアタリを吸収できるくらいの方がベターなのだ。
 取材時、バスのアタリはなかったが、産卵を控えたオスのワカサギが、次から次へとルアーにじゃれてきた。メスのワカサギと間違えているのだろうか……。
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