バスフィッシングと出会って20年あまり。 すっかりオッサンになったかつての釣り好き少年が、 これまでに出会ったさまざまなことを つれづれ〜っと書いていきます。 ご意見、ご感想、叱咤激励はこちらまでよろしくね。 TEXT by Jun Sugawara
BEAT 30 河口湖でソフトベイトが禁止に その2(2007/1/17) さて、続きである。 今年5月からソフトベイトの使用が禁止される河口湖。 アングラーはタックルの選択肢が少なくなることで、自由を奪われたように感じることだろう。 一方、河口湖はアングラーだけが訪れる観光地ではない。 景色を楽しみたいという思いで訪れた観光客が、 湖畔に散乱するソフトベイトを見れば不快に思うことだろう。 これについては多くの方が関心をもっているだろうし、その意見もさまざまだと思う。 そこで、まずはトーナメントアングラーの山木一人さんにお話を伺った。 ご存知の方も多いと思うが、山木さんの実家はソフトベイトが禁止されている芦ノ湖で、 レンタルボート店を営んでいる。 山木さんによると、芦ノ湖のケースでも漁協が一方的にソフトベイト禁止を決めてしまったそうだ。 「ソフトベイト禁止というルールに関しては、『別にいいんじゃないの』と思いますね。 一定のルールは必要だと思いますし、魚を釣る手だてはほかにもあるわけですから。 ですから、ソフトベイトの禁止は否定しませんし、 魚のコンディションや環境への影響を考えれば、ひとつの選択肢だと思います。 ただし、芦ノ湖も河口湖も釣り人から遊漁料をもらっている。 お金をいただくサービス業なのに、お客さんに対する説明も啓蒙活動もしていません。 漁協側が一方的に決めてしまっては、お客さんも納得できないと思うんです」。 やはり山木さんもルールそのものではなく、そこに至るまでのプロセスに疑問を感じていると語った。 ただし、芦ノ湖と河口湖では事情がやや異なる。 芦ノ湖はニジマスやブラウントラウト、 ヒメマスといったマス類やワカサギ釣りのフィールドとして広く認知されている。 一方、河口湖でもニジマスやワカサギが釣れるものの、 訪れるアングラーの多くはバスフィッシングを目的としているといっていいだろう。 山木さんも「芦ノ湖はトラウトやワカサギのお客さんも多いのでかろうじてもっていますが、 バスに大きく依存している河口湖では大きな影響を受けるでしょうね」と話す。 その大きな影響として考えられるのが、釣り人の減少だ。 ソフトベイトがバスフィッシングのすべてではないものの、 使えるルアーが制限されることに不満を抱く釣り人は多いことだろう。 事実、芦ノ湖で開催されているNBCチャプター神奈川は、 かつては200名もの参加者で賑わっていた。 しかし、今年の第1戦の参加者は、わずか29名にとどまっているのだ。 釣り人の減少は、レンタルボート店や近隣のプロショップに打撃を与えることは間違いない。 芦ノ湖、そして河口湖でもレンタルボート店などから反対の声が上がったが、 結果的にソフトベイト禁止という措置が覆ることはなかった。 山木さんによると漁協には現場の人間が意外に少なく、 「どうしたらもっと釣り客を呼べるのか」といった話し合いも、実はほとんどないのだという。 ……ということで、続きはまたまた次回。 短くて恐縮だが、早速数名の方からご意見をいただいたのでそちらを紹介しよう。 この件に対してはいろいろな方がいろいろな意見をお持ちだと思う。 なので、いただいたご意見に対しての反論などはしないつもりである。 じゃないと、えんえんと論議が終わらなくなって、 大変なことになってしまうので(笑)。 原則として原文をそのまま掲載しているが、読みやすいように改行したり、 ご挨拶などは割愛させていただいているのでご了承いただきたい。 まずはJBプロとしてもご活躍されている安井宏之さんからのご意見。 自分は、JBプロとして河口湖の試合にエントリーしてきました。 今回のワーム禁止に関しては、個人的に反対の立場で意見を述べてきましたし、 自分のブログでも反対の立場を貫いています。 確かに、環境という観点で言えば放置されたワームは問題ですし、 このままで良いとは思ってません。 むしろ、とにかく早く撤去するなり、アングラーの有志での清掃活動を行うべきだと考えます。 (実際に、清掃活動は実施されています) しかし、直ちにワーム禁止という踏み絵が実施されると、 釣り人は減り放置ワームの増加は防げますが、今湖底にある放置ワームはどうするのでしょうか? このまま、ずっと放置したままでしょうか? 当然、清掃活動やボランティア活動も縮小されていくでしょう。 これが、環境を守ることになるのか疑問です。 さらに、現在、河口湖では、公共工事という名のもとで護岸整備が進んでいます。 現在は一部しか完成していませんが、いずれ湖畔を周遊できるように護岸全部を遊歩道にする計画があり、 水位を高めても大丈夫なようになるようです。 ご承知のとおり、河口湖漁協は、去年から裏金、真珠の偽者、脱税など不祥事が起きており、 幹部が総入れ替えになりました。 そのような人たちに、環境うんぬんなどの綺麗ごとを語る資格など無いと思います。 ワーム禁止→釣り人減少→釣券収入減→予算無し→放流無し →更に釣り人減→バス魚種認定取り下げ→リリース禁止 →補助金目的のバス駆除→河口湖終了 今シーズンもJB選手として河口湖の試合にエントリーしますが、5月以降の河口湖の試合には、 抗議の意味も含めてキャンセル、河口湖で釣りをするのは辞めようと決めてます。 釣り人が行った環境破壊なんですから、釣り人が釣り人のために、これから清掃なり、 ルール作りに参加したかったです。 なお、安井さんはご自身のblogでもご意見を述べられているので、 ぜひそちらもご覧いただきたい。 ヒロ's Web Log (http://blog.livedoor.jp/yassiye/) 続いては、One of Bassers.さんのご意見。 ネット上においては、「バス問題」とあわせて、「ワームによる環境負荷」については、 以前から取沙汰されておりましたので、今回の河口湖に於いての措置は、ある意味、当然の事と考えます。 そして、菅原さんの指摘されるプロセスについても、さほど重要とは感じませんでした。 なぜならば、ワームの環境負荷については、以前から指摘されていましたし、 その指摘に対し先手を打つようなタイミングで芦ノ湖においては、既に「ワーム禁止の措置」がとられていました。 さらに、バスが、特定外来生物に指定された時点で、バス釣り関連産業の現状維持が困難である事は予測され、その予測は、漁業権を持つ五湖の漁協の未来においても同様であります。 そうする中で五湖の各漁協が将来的にも、安定した運営を継続するためには、「バス釣り依存体質」からの脱却が至上命題であることも充分予測でき、その第一歩として、それぞれの湖の環境を維持し、バス釣りにより受ける環境負荷を最小限に留めるための対策として必須である事も予測できました。 つまり、今回の件については、実施のタイミング以外については、 充分、事前に予測がつくものであったと言う事です。 「湖という自然環境」の利用者(お客様)つまりは、環境負荷を与える者を大きく分類すれば、観光客(水辺・水上利用)、釣り客、漁協であります。その一つのカテゴリーであるバス釣り関係者(業界、バスプロ団体など)から、ワームの利用について自主規制することも十分可能であったはずです。 芦ノ湖と同様の時期から段階的に、これを検討・実施していれば、「バス業界、一部のバス釣り人共に、今後予想されるような大きな痛手を被らずに済んだのではないか」と反省すべきではないでしょうか。 また、違った側面からワームの必要性を考えた場合、その主たる目的は、釣果効率アップにあります。 しかし、バス釣りは、様々なルールによって成り立つゲームでありますから、そのルールによって釣果効率のダウンがあっても、ゲームの参加者がイコールコンディションであれば、なんら問題ありません。 問題があるとすれば、「商品」として、ワームを製造販売する立場の方々だけでしょう。 如何なる産業に於いても時代や消費者ニーズの変化を予測し対応していく事を要求されるのは当然の事でありますから、ワームに変わる新たな商品開発をされるよう期待したいと思います。 さらに言えば、ワーム禁止措置についての対応は、まず始めに業界は「業界としての意見」を明確にし河口湖漁協および自治体に対処すべきであり、消費者としての釣り人は、全釣り協のような釣り人団体を通じ意見すべきと考えます。業界が消費者を煽動し世論の代表者であるかの様な方法論で事に当たるべきではないと考えます。 なお、One of Bassers.さんも、 blogにて今回の件に限らずバスフィッシング問題に関するご意見などを述べられている。 One of Bassers.(http://haluna.at.webry.info/) 最後に、DODGEさんからのご意見。 僕が懸念、そして疑問に思う「河口湖のワーム禁止」は、 やはりアングラーの意見に耳を傾けなかった部分です。 特に釣り具メーカーからの反発が弱かったのが残念です。 肩身の狭い思いで釣行するアングラーが多い昨今、簡単に方針を受け入れた姿勢には納得できません。 数年間団体やメーカーが一丸となって取り込んできた「生分解ワーム」の行方はどうなるのか、 それがまったく読めません。 科学的な見解からして、生分解ワームは湖底に残らないのを仮定していたので、 今後河口湖ではワームの残骸が減少すると予測していたはず。 団体としても、その成果をデータとして蓄積しているはずですし、 科学的な意見を漁協や県に申し立てられたはずです。 ワーム禁止の方針は決定しましたが、 アングラーは「生分解ワームの成果」の公開を団体や関係メーカーに促してもいいのではと考えています。 我々はその類の商品が生分解することを信じて使用してきたわけですから、 その結果を知る権利を主張すべきです。 特に生分解ワームの使用を導入した大会に出場していた選手たちは、声を大にすべきではないでしょうか。 このペースでルール改正が進行すれば、 数年後にやってくる魚種認定時に河口湖はバスを認定させられないのでは、と懸念しています。 さて、みなさんはどのように考えているのだろうか。 ご意見は引き続き募集中である。 なお、スパムメールが膨大なため貴重なご意見をスルーしてしまう可能性があるため、 タイトルを「河口湖のワーム禁止について」とすることをお忘れなく。 (basswaveからのお知らせ) 今回の件に関して、みなさんのご意見を募集します。 いただいたご意見はこのコーナーで随時ご紹介しますので、忌憚なきご意見をお寄せください。 ご意見はcontact@basswave.jpまで。 このところスパムメールが膨大に送られておりますので、ご面倒ではございますが、 メールのタイトルを「河口湖のワーム禁止について」としてお送りください。 匿名希望の方はその旨をご明記のうえ、ハンドルネームなどをお知らせください。 なお、趣旨に沿わないご意見や特定の企業、個人の誹謗や中傷などは紹介できません。