バスフィッシングと出会って20年あまり。 すっかりオッサンになったかつての釣り好き少年が、 これまでに出会ったさまざまなことを つれづれ〜っと書いていきます。 ご意見、ご感想、叱咤激励はこちらまでよろしくね。 TEXT by Jun Sugawara
BEAT 3 ディズニーのバス(2003/4/17) 「とにかくデカいバスを釣ってみたい」 バスフィッシングをしている人であれば、誰もがそう思っているに違いない。 しかし、現実というのは実に厳しいものだ。 首都圏からわざわざ池原ダムに遠征するアングラーたちも、 その多くが肩をガックリと落としながら帰路についていることだろう。 私もかつては憧れの琵琶湖で何度も玉砕し、 木ノ浜沖で「琵琶湖のバカヤロ〜!」と叫んだ経験の持ち主だったりする。 そんな悔しさが辿り着く場所こそ、バスの故郷アメリカである。 「アメリカに行けばデカいバスがバホバホ釣れる……」。 そんな妄想を抱く気持ちはわからないでもないが、 アメリカでは必ずデカいバスが釣れるというのは、ハッキリいって間違いだ。 私はBasser誌の取材などでたびたびアメリカを訪れているが、 10Lbを超えるようなバスと遭遇する機会はけっして多くない。 場所と時期を吟味することで確率を上げることはできても、なにしろ相手は自然なのだ。 簡単に釣れないからこそ「いつかは10Lb」などと言われるワケである。 ちなみに、私もこれまでアメリカで10Lbオーバーを釣ったためしがないが、 これはおそらく、まぁ……間違いなく……自分の腕のせいであろう。 これまで、私はこのbasswaveも含め、いろいろなアングラーから、 アメリカのバスフィッシングについて相談を受けた。 もっとも多い相談というのは、新婚旅行や観光でアメリカに行くので、 そのついでにバスフィッシングをしたいというもの。 このような旅行で最近人気が高いのが、フロリダ州である。 たしかに、フロリダバスで知られるフロリダ州はビッグフィッシュの実績が高い。 「せっかくフロリダに行くんだから、バスも釣りたい」と考えるのは当然のことだ。 しかし、人気があるということはフィッシングプレッシャーも高いということ。 キシミーやトホ、ハリスチェインにオキチョビーなど、 いわゆるメジャーなパブリックレイクほど、その傾向が強いといえるだろう。 有名プロや腕利きのガイトと同船してもノーフィッシュ……。 そんなことが珍しくないのが、パブリックレイクの怖さでもあるのだ。 もっとも、日本では味わえないようなベジテーションだらけの釣りや、 湖上で出会うアリゲーターなど、雰囲気だけでも充分に楽しいと私は思う。 「でも、わざわざフロリダまで行ってノーフィッシュは恥ずかしい」。 「せめて1尾だけでも釣らないと気が済まない」。 そんなアナタにお薦めなのが、ウォルト・ディズニー・ワールド内のベイ・レイクだ。 なにしろ、ガイドはあのミッキーマウス。 「あそこの桟橋にキャストしてごらん」。 「ほ〜ら、大きなバスが釣れたね。ハハッ」。 ……というのはウソだが、 私は今までここでノーフィッシュになったことがない(これはホント)。 ウォルト・ディズニー・ワールドで釣りといってもピンとこないかもしれないが、 なにしろここは東京やロス、パリのディズニーリゾートと違ってメチャメチャ広い。 ベイ・レイクは天然の湖なのだが、ディズニーの敷地内なので、 専門のガイド(ミッキーではない。念のため)を雇わないと釣りができないのだ。 バスの放流こそしていないものの、いわばプライベートレイクのような存在で、 むちゃくちゃフィッシングレッシャーが低いのが特徴。 ちなみに、ガイドフィッシングは屋根付きのポンツーンボート。 バスボート派にとっては不満かもしれないが、夏場はこちらのほうが快適だ。 普段、あまり釣りをしない彼女やワイフとの釣りにはもってこいなのである。 バスボートでのパブリックレイクとは趣きが異なるが、 シンデレラ城を見ながらの釣りなど、ここでしか味わうことができない。 なお、ここで釣りをするためには、電話での予約と、 湖に面したホテルの桟橋やマリーナまで自力で行く必要があるのでご注意を。 もっとも最近、私がここで釣りをしたのは2003年2月。 同行してくれたハーレー・スミスさんがブリブリのプリスポーンバスをキャッチしたが、 またもや私はビッグフィッシュには恵まれなかった。 「ベイ・レイクのバカヤロ〜!」。