バスフィッシングと出会って20年あまり。
すっかりオッサンになったかつての釣り好き少年が、
これまでに出会ったさまざまなことを
つれづれ〜っと書いていきます。
ご意見、ご感想、叱咤激励はこちらまでよろしくね。


TEXT by Jun Sugawara

BEAT 10  続・続・投稿ボードのご意見について(2003/5/7)

で、続き@最終回です。

「こんな話しをすると叱られそうですがリリース禁止を奨励する方たちって今の生活
(金)しか考えてないように思うホントに将来の琵琶湖、子孫のために残したいので
あれば、共存しかないと思いますが・・・私には一部の人の国からの補助金目当ての
ようにしか思えません、全部とは確かいいませんが農業を営む人たちへの補助金って
結構な額が動いていると聞いたことがあります」


う〜ん。
確かに、お金って、なんとなく“悪いモノ”というイメージってありますよね。
でも、お金のことを考えるのは当然ですし、ましてや生活のこととなれば……。
生活を優先させるのは悪いコトではないともいえます。
先日発覚した恐喝事件は、たしかに許されることではありません。
しかし、「補助金」というのは日本の法律で定められている正当なものですから、
それをもらっている方々だけを責めるのは筋違いだと思います。
問題は、なぜそうなってしまったのか、ということ。
このあたりは、天野礼子さんの本などを読んでみるとよ〜くわかります。

「これだけは言いたいリリース禁止条例には大反対ですが
もっとマナーを守ってもらいたい!」


同感です。

続いては「秀さんへ、バス害魚論の現実」さんの書き込みです。

「つまり悲しいけど、国や行政、漁業者の責任をバスになすりつけてるっていうのが
実情みたい。もちろんバスの害もあるにはあるであろうが、乱獲や自然破壊などの人
様の行為には遠く及ばない」


残念ですが、実情に関してはよくわかりません。
たとえば、ニゴロブナのように産卵期の雌を一網打尽にする漁法は乱獲の可能性がありますし、
アユモドキなどは外来魚の影響以前に琵琶湖から姿を消しています。
ですが、在来魚に対するバスの影響が正確に把握されていない以上、
「人様の行為には遠く及ばない」かどうかを判断するのは難しいです。

「マナーの悪いやつ確かに多すぎる」


同感です。

続いては「疑問」さんの書き込みです。

「よくバス害魚論を論ずるにあたって、「漁協にとって、漁民にとって」という言葉
がでてきます。しかし日本のような限られた狭い国土で貴重な湖沼、河川は誰のもの
なのでしょうか?彼ら漁協、漁民だけのようなものの考え方が不思議でありません」


う〜ん。
これもですね、日本の国民全員がそう考えているわけではないと思います。
どうもバスアングラーは職漁者の方々を敵視する傾向にあるようですが、
湖の環境を真剣に考えている職漁者の方も実際にいらっしゃいます。
そしてもうひとつ、忘れてはならないのが職漁者の方々の仕事です。
前回、奄美大島のハブの話に触れましたが、かつての日本はさまざまな問題を抱えていました。
その問題のひとつが食糧難です。
さまざまな食材が世界中から輸入される現代では忘れられつつありますが、
職漁者の方々が捕った魚たちは、かつて多くの国民の生命を支えてきました。
先に書いたように、現在の漁業制度は時代遅れだと感じてはいますが、
国民の生命を支えてきたという事実は忘れてはならないと思います。
バスアングラーにも、そんな職漁者の方々をリスペクトする気持ちをもってほしいものです。

「もちろん我々バスマンもマナーの悪さなど反省すべきところは多々あるとは思いますが」

同感です。

……というワケで、投稿ボードの書き込みに対する私の意見を書かせてもらいました。
ひとつだけつけ加えたいのは、奄美大島のマングースと同様、
一方的な報道を鵜飲みにしないでほしいということです。
そして、バスに関しても、釣り方以外のことをもっと知ってほしいと思います。
フィールドのことや職漁者の方々のこと、バスを取り巻く他の生物や植物のこと。
こういったことに目を向けると、自ずとマナーも守られると思うのですが……。