サイト!? それって結構時間かかるんじゃないの?

 野本さんに話を聞いたところ、彼がバス釣りをはじめ、「プロになろう!」と決心した場所こそがこの芦ノ湖だという。当時は、NBCのチャプターに出場していたとか。それ以来10年ぶりの芦ノ湖再チャレンジになるそうだが……アレ、電話で話したときは「任せてくださいよ」みたいなことを言っていた気がしたが……。まぁいいか。
 その野本さんは、「basswave用にバスの写真も必要だと思いますので、サクッとネストのバスを釣り上げますよ」と言うと、白浜〜百貫ノ鼻にかけて流すようにネストを捜しはじめた。う〜ん。これは取材というより、旅行なんだけど……。まぁ、バスの写真も一応は撮りたいし、自分たちだけでは釣れない可能性も高かったわけで、「じゃっ、ネストでサクッとお願いします」となってしまった。
  というのも、ネストの釣りって、時間が読めない。
 簡単に釣れるヤツはスグに釣れるが、釣れないヤツは1時間以上かかってしまうことだってある。ボクはともかく、ウチの奥さんはこういう釣りを知らないので、耐えられるかが心配になっていたが、その心配も不要だったようだ。
 山中湖のガイドで「野本道場」を開設している野本さんは、プロ指向のお客さんのニーズに合わせて、“勝つためのメソッド”を伝授している。それを継承して今やプロアングラーとして活躍しているのが、相田さんなのだ。話が反れたが、要するにウチの奥さんも野本道場に「一日入門」のごとく、サイトの釣りを習うことになったのだ。最初はスピナーベイトやら、ミノーやらを投げていたウチの奥さんであったが、ジグにチェンジした理由は、野本さんがこの日初のバスを釣り上げた光景を見たからだった。

  ネストを捜すことおよそ1時間。ショアライン沿いにルアーをキャストしながら、プリスポーンのバスがいるレンジやストラクチャー周りを探り出す。すると、35cmくらいのオスバスがウロウロとしているのを発見!「これはチャンス」とばかりに、野本さんはシャッドラップから自作のジグがついたロッドに持ち替えた。
 ネストに忍び寄るベイトを追いかけて蹴散らそうとするオスバスにジグを入れて、待ち受ける。格闘時間30分。ついにバイトにいたった。
 「最初はバスも無視したり、気づかなかったりなんですけど、次第に怒り出すというか、チェイスしてくるんです。こうなると、『もうすぐバイトするな』とわかるんです」と野本さんは言う。確かにこの日も「もうバイトしますよ」と言ってから数分でバイトした。
 
 野本さんは「もうちょっとデカいの釣りたいですねぇ〜」というと、次のネストに向かって移動しはじめた。
 2時間ほどノーバイトが続き、比較的シャローなスポットでバスが回遊してくるのを見つけだした。
 野本さんはまたジグロッドを手にすると、ピッチングでバスの目の前にフォーリングさせる。「今後は早く釣れると思います」というと、5分ほどで本日2尾めをフックアップさせた。
 これを見ていたウチの奥さんは「この釣りって面白いね」と言うと、野本さんに教えてもらいながら、別の回遊バスをねらいはじめた。すると、今度は彼女のジグにバイトしたのだ!40cm近いグッドサイズのバスと格闘しているが、ボクはそのときカメラのフィルムを交換中。「とりあえず釣り上げてもエエよ」と言った瞬間……バレてしまった。撃沈。
 
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