琵琶湖でリリースが禁止に? パート3

 ところが、水産課のホームページを詳しくチェックしてみると、ほかにもさまざまなことがわかります。
 たとえば、貝類。昭和29年には2752トンもの水揚げがあった貝類ですが、平成12年のデータではわずか12トン。もっとも顕著な減少を示しているのが、昭和48年の1411トンから昭和49年の410トンです。
 ちなみに、琵琶湖総合開発事業がスタートしたのが昭和47年。どう考えても、このふたつには相関関係があるように思えるのですが……。みなさんがご存じのように、貝類というのは水中のプランクトンを食べています。さらに、その生息環境としては砂礫や砂の湖底が必要になります。なぜ貝類がここまで激減したのか……。

 少なくとも、バスやブルーギル、コカナダモのせいではないと思えるのですが……。

 もちろん、外来の生物の移入による競合というのも在来生物減少の一因になると考えられます。しかし、すべての要因を外来の生物のせいにしていては、根本的な解決など望めるはずもありません。

 今回、大量に寄せられたパブリックコメント。これは、単に「バスを釣りたい」というバスアングラーのエゴではないということを、みなさんに知っておいていただきたいのです。
 週末、フィールドに足を運んでいる私たちバスアングラーは、役所で机に座っている人々よりもはるかに多くの「事実」を目撃しています。「開発」という名目でどれだけ多くの自然湖岸が破壊されているかも知っていますし、ここ15年でどれだけ多くの浚渫が行なわれているかも知っています。つまり、琵琶湖の環境悪化の原因が外来生物だけにあるわけではないことも知っているんです。

 滋賀県のパブリックコメント受け付け終了まで、あとわずかになりました。私たちの意見が最終的な結論にどれだけ反映されるかはわかりませんが、「あのとききちんと意見を述べるべきだった……」という後悔だけはしたくないものです。

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