テキサス・リグ
TEXAS RIG

バスフィッシングをはじめる上でテキサスリグを修得することは、バスフィッシング全体に精通するともいえる大事な役割を果たすだろう。そのポテンシャルは高く、そして奥深く、どのようなフィールドであっても、どんな状況であっても対応できるメソッドだからだ。バスフィッシングビギナーでなくとも修得したいリグである。



 ソフトプラスチックベイトを使用したバスフィッシングにおいて、もっともポピュラーなリグといわれるテキサスリグは、バレット系シンカーにラインを通し、そのラインの先端をフックアイに結ぶ。そのフックをワームにセットすれば、基本的には完成だ(基本的にと書いたのは、これを応用したリグやメソッドもあるため)。
 バレッドシンカーはストラクチャーのすり抜けがよく、ウイードレス効果が高い。そのゆえに、ウイードが密集したエリアやカバーの多いスポットで使用されることも多い。また、着水後リグを着底させ、ボトムを感じながらトレースすることから、“ボトムをとりやすい”リグとしても代表的な存在だ。したがって、ビギナーがボトムの状況を把握する上では一番簡単なメソッドといえるだろう。また、テキサスリグはロングキャストをしてボトムをズル引きしたり、ボトムバンピングしたり、またピッチングやフリッピングをする際にも活用できるため、このリグを熟知することは、バスフィッシングのテクニック向上に非常に役立つ。
 テキサスリグの応用編としては、シンカーに通したラインにグラスビーズを通しフックに結ぶメソッドがある。このメソッドは、ロッドティップを細かく揺らしてシェイキングすることによりシンカーとビーズが当たり、「カチカチ」とサウンドを発生させる。「ワームを使用する場合、サウンドは不要」と思われがちだが、このようなメソッドを使用することで、さらにバスにアピールできることも覚えておきたい。このとき、シンカーのマテリアルをチェンジすることで、サウンドにも変化をつけることができる。たとえば、ブラス製のものは、鉛製のものに比べハイピッチ(高音)のサウンドを奏でる。これも、釣行したフィールドのシチュエーションによって使いわけたい。
 さらに、バレット系シンカーは中通し状のオモリになるので、基本的にシンカーをラインの前後に移動させることが可能である。この移動があることにより、ボトムでワームがフリーの状態になったり、フォールするスピードに変化がつく。そのためテキサスリグは、着水後カーブフォールをして着底するといわれている。
 アングラーがストラクチャーに対してタイトに攻略したい場合、ソフトベイトとシンカーが離れないようにする方法もいくつかある。簡単なのは、いわゆる“ペグ止め”だ。中通し状態のバレットシンカーのエンド側(下側)からペグ(ツマヨウジなど、棒状のものや、ラバー製、プラスチック製のものなどがある)を差し込んで、余分な部分をカットする。これによって、シンカーが固定されるため、シンカーとソフトベイトが離れなくなるわけだ。これは世界中で見られるメソッドだが、国内では現在、浮き止めを使用した方法でシンカーがズレることを防いでいるアングラーも多い(写真を参考に)。さらに、この方法はラインを痛める比率も低下するため、ラインブレイクも低減できる。
 「テキサスリグは初心者向け」と書いたが、ホントに初心者アングラーがこのリグで挑戦するのであれば、ロッドは短めのミディアムライト・アクションくらいが最適だろう。バスのバイトも取りやすく、フッキングも楽にできるはずだ。だが、シンカーの重さを間違うと使いづらくなるので、そのあたりは考えて使用したい。また、中級レベルに達したアングラーであれば、少し長めで硬めのロッドが使いやすい。

   

1)基本型テキサス・リグ


2)シンカーをラインに通す


2−2)通したら、ラインの先端をフックのアイに結ぶ


3)フックをワームに通して隠す前のものと、隠した後の写真。ストラクチャーに対してのすり抜けを向上されるために、フックはオフセットを用いるのがベストだろう

3−2)ワームボディーを貫通させたときの写真
3−3)プロアングラーの中には、フックポイントをボディーの外側にしたまま釣りをする人もいるが、基本的に、フックポイントはワーム内に隠す

3−4)テキサスリグ完成型


4)ビーズを通したテキサスリグは、シェイキングやドゥードゥリングといったテクニックで使用される。両テクニックともに、ある一定のスポットで細かくロッドティップをシェイクさせて、音でバスとワームの動きでバスを魅了するメソッドだ


5)ペグや浮き止めを刺したテキサスリグは、簡易系フロリダリグと読んでも過言ではないだろう。これがウワサ(!?)の浮き止め


6)浮き止めを先についている針金部分にラインを通す。今度は、浮き止めの部分を指でラインに寄せてラインに通す


7)ラインに浮き止めを入れたら、後はテキサスリグを作るだけ。作ったら、浮き止めをまた指で押して、シンカーの先端に軽く埋める。これでシンカーかズレることを防げるのだ